公務員か転職や独立起業する際には様々な悩みがつきものです。そんな悩みを元福岡県職員で、現役弁護士の宮内さんのご協力を得て、アドバイスさせていただく公務員プラス法律相談です。
今回の悩みは「弁護士業界の現状について」に関するものです。
【ご相談内容】
お名前:カカオマメ 様
現在のお仕事:某県庁総合職
年齢:20代半ばの男性
相談内容:
はじめまして。宮内先生のように私も弁護士になり幅広く活躍したいと考えています。
法学部にいたことや、元々法律関係は大好きなので勉強は苦にならないのですが、昨今の弁護士業界を取り巻く状況の変化、つまり弁護士業界もなかなか厳しくなってきている、という声に対して、実際の現場におられます宮内先生から見られるとどのように感じられますでしょうか。できれば生々しい意見を聞いてみたいと思います。
【回答・アドバイス】
ズバリ言って、大変厳しい状況です。
パイ(社会における紛争の数)が増えているわけではないのに、弁護士がこれまでの4倍近いペースで増えているのですから、相当なことです。
私も、来年も弁護士として食えているかは分かりません。
ただ、これはどの業種であってもいえることで、弁護士の業界だけのことではありません。
厳しいとは言っても全くの新参者が公務員退職時を上回る年収を得られる業界はなかなかないでしょうから、そういう意味ではこれまでが恵まれすぎていたということはいえるかもしれません。
一応、ネットの口コミなどもありますが、いまだ弁護士の能力に対する評価等はオープンにされておらず、依頼しようとする人にとって、十分な情報がないのが現状であり、マーケットに大きな歪みがあります。
他にも経済学的見てみると、この業界は不合理な点が多いので、十分に戦略を練られたうえで勝算があると考えられるのであれば、弁護士になること自体は、以前と比較にならないほど易しくなっているので、十分に検討の余地はあると思います。
これから弁護士になることを検討されるのであれば、コストとリスクの徹底した管理が必要になります。退職して法科大学院に入学して・・・、などというのは考えない方がいいです。
時間的、金銭的コストが大きすぎます。まずは、在職したまま予備試験を受験してみられてはいかがでしょうか。一回で合格しないまでもある程度今後の手ごたえくらいはつかめると思います。