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【元支援機関員が語る起業情報 No.3】 どっちを選ぶ? 起業のカタチ別 特徴と注意点 「ウデで稼ぐ」か?「アタマで稼ぐ」か?

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お名前

元中小企業支援機関員 川田康平 様

経歴

公的な中小企業支援機関の職員として、中小企業や起業されたばかりの企業の支援に5年ほど従事し昨年退職。現在は、全くの別業界に転職し活躍中。

 起業をお考えの公務員なみなさま、仮に今日付けで今の職クビになったとした時にどうするか考えてますか? 川田です。

さて、今回は【どっちを選ぶ? 起業のカタチ別 特徴と注意点】の最終回です。
そこで公務員からの起業のカタチで多いと思われる「フリーランス」。中でも代表的かつ対象的な二つのアプローチを並べて、例によってそれぞれの特徴や注意点、方向性を決める際のポイントなどを解説していきます。


ということで【「ウデで稼ぐ」か?「アタマで稼ぐ」か?】。

「本来は起業ありきで後から何するかを考えるのって本末転倒」という話もありますが、とはいえ実際によくある話ですし。起業の動機って最初の内はフワフワしたものでいいのかなと個人的には思います。
※もちろんいつまでもフワフワだとお話になりませんが。

 

<ウデで稼ぐ型(【手に職系】起業)>

◆特徴/注意点:

・比較的小資金ではじめられる
  (営業コストを見落としがち。「紹介」に甘えてると継続困難)

・実績を積み信頼を勝ち取ると、手堅い
(とはいえ自身を客観的に見て、スキルアップに励んだり策をあれこれ考えないと、あっさり淘汰されます)

・良くも悪くも職人気質の方が多い
(プレイヤーとマネージャー、両方の考えや時間が必要となります)


 ちょっと厳しめにいきますが、「ウデがあれば喰いっぱぐれない」はないと思っていた方がいいかと。
少なくともコミュニケーションが面倒という理由でこの辺を志す公務員な方にはつとまらない世界です。その世界で長いことやっていくならば、本当の一流以外はコミュニケーション能力(頼まれやすい環境づくり)がキモとなります。
※あ、当然ウデがないと相手にされませんよ。ちなみにヒエラルキー的にまとめるとこんな感じかなと。


ウデ有コミュ高 > ウデ無コミュ高 > ウデ有コミュ低 > ウデ無コミュ低

ある意味、芸人さんとかと共通点が多いですね。自分が、

「そこそこな芸人」だったらどうすればテレビに出続けられるか?

「この人全く面白くないけど、なんでテレビ出続けてるんだろう?」

とかをアレコレと考えてみると新しい発見があるかもしれません。戦略とかマーケティング的な話になりますが、やはり残る人達はしっかり考えてるんだなと傍目で見る限り思います。手っ取り早い所だと、「別の要素」との組み合わせでしょうか?(料理とかクイズとか…)。




<アタマで稼ぐ型(【資格・コンサル系】起業)>


◆特徴/注意点:

・自ら売りに行くのが性質上難しい → 営業に一工夫必要
  (売り込むのではなくお声がかかるようにする営業方法を考える。セミナー営業とかブログとか…)

・提供するものがカタチのない「専門的な知識・サービス」
(…でもカタチにしないと売りづらい。だから資格による「ハク」を求めたり、出版したいと思ったりするんでしょうね)

・良くも悪くも学者・職人気質の方が多い
(プレイヤーとマネージャー、両方の考えや時間が必要となります)


 この分野は初期費用が小額で済む、それまでの経験・スキル・知識がいかせるなど、始めるハードルが他業種と比べて低いので、こうした人達が日に日に増えてきているというのが実感です。
弁護士や公認会計士などを頂点とした国家資格にしても、狭き門とはいえ毎年何百何千人と増えているわけですし…。
また、○○コンサル/アドバイザーの「○○」って今やなんでもアリですよね(個人的に微妙だなと思うものもたくさんありますが)。

すると当然問題になってくるのが、メーカー的な言い方をすると「商品開発」と「営業」です。


 まず開発。似たような同業が次々と参入してくる中で、何をもって他社との差別化を図るか?という視点は必須ですね(税理士など独占業務な業種においても今や同様)。

アドバイスやノウハウ、知識、改善案、実務作業あたりがメインの「商材」となりますが、それらの質で勝負するのか、提供する「ヒト」部分のホスピタリティー的なところで勝負するのか、サービス込みの「モノ」に商材を変えて販路を広げるか…など。


傍目にはその辺しっかり考えている方々って少ないんで、やったほうがいいのになぁと思います。加えて商材の切り口で考えると、「旬」がありますのでその辺を考慮にいれた生き残り策を考えるのは重要ですよね。 (そういやいたなぁ。名乗っている肩書きが【ブログコンサル → SEOコンサル → 動画コンサル → ソーシャルメディアコンサル】とかコロコロ変わる人。当然生活があるのでなりふり構わなくなるのも分かるけど。…この手の業種においては【信頼感】って重要ですよね)


あと営業ですね。なにしろ「コンサルいかがですか?」なんて売れば売るほど胡散臭く、儲かってないんだろうなぁと思われる(そんなところにお願いしないし…)んですから、難しいですよ。
で、儲かってそうな雰囲気を出そうと「盛る」やり方とかもいろいろとありますが、あれも裏目に出ている感がどうしてもぬぐえない。 (あくまで自分の考えですが)BtoCで言うところのAIDMA/AISASみたいな、この手の商売の意思決定プロセスを踏まえた施策をコツコツとやっていくのがいいのかなと。例えばこんなの。


まず胡散臭さをなくす(ソーシャルメディア?ブログ?メルマガ?DM?)

→ 役に立つ情報を渡す(セミナー?)

→ 悩み(課題)を引き出す(アンケート?無料相談会?)

→ その悩みを解決でき、ヨソより優れていることを証明する(お試し版?事例紹介?)

ちなみに、営業うまくできないからと「士業コンサル」や「コンサル業向けコンサル」「出版プロデューサー」とかにお願いすることがあるかもしれませんが、誰に頼むかに関してはよーく吟味してくださいね。もちろんちゃんとした人もいますが、けっこうアレらしいということを各方面から聞いているもので…。




<ウデで稼ぐか?アタマで稼ぐか? 方向性を考える際のポイント>


 さてここまで、対極的な2つのスタイルについて解説していきましたが、どちらが向いているだろう?どちらを選んだ方が自分にとって正解なのだろう?と考えるにあたってのポイントを3点ほど。


・(私生活や得意科目や部活、趣味等含め)得意なのは何?
→だからどっちというわけではないですが、スキルと方向性が合う方がお金にはなるのかなと。


・やりたがっていることそのものの旬と寿命、業界の状況は?
→これはまず本人だけでは冷静な判断ができないので、第三者に聞いてみるといいでしょう。あとなにげにオススメなのがTwitterと2ch。各業界の愚痴や悩みが何となく見えてきます。


・どっちがやってて楽しそうか?/ 長いこと続けられそうか?
→ウデもアタマも、選びどころとしては最終的にはここに行きつくのかなと。いずれにせよコロコロと宗旨替えばっかりしてると肝心のお客さんから相手にされなくなりますよ。


 この3つのポイントですが、それぞれ「内部環境」「外部環境」「興味」とも言い換えられますが、実はこれ「ウデかアタマか」以外にも一般的に起業や新規事業の方向性を決めるときにも考えておきたいポイントだったりしますよね。

あれ? 脱線多かった?
…ということでそろそろこのへんで。





【著者、川田康平プロフィール紹介】

公的な中小企業支援機関の職員として、中小企業や起業されたばかりの企業の支援に5年ほど従事し、昨年退職しました。 「小さな成功事例の積み重ね」が成果を生むという考えをベースに、「創業・新規事業開発」「マーケティング」「Web戦略」などのテーマで、セミナー・講座の企画に従事。起業家からの相談に答えていると次第にヒートアップし口が悪くなるのが玉にきず。

  ・好きなもの : 真っ当なビジネス、素直な姿勢、すぐ動く行動力、
 ・キライなもの : 偽コンサル、詐欺、セミナーマニア、かぶれがちな人、各種しがらみ


 現在は起業に関する情報や準備しておいた方がいい事柄などの知識は封印し、畑違いの業界で日々修行中。


 



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